お問い合わせ

包丁研ぎに関するお問い合わせを電話でいただくことがあります。

美容室の営業中はゆっくり説明ができないこともありますので、

Q&A的なことを書かせていただきます。

 

Q1.仕上がるのにどれくらい時間がかかりますか?すぐ研いでもらえますか?

A1. 通常は30分位で研げると思います。ただし、包丁の状態によっては3時間かかったこともあります。美容室を営業しながらですとその時間が取れないこともあります。正直なところコンディションを見てみないとわからないのです。

 

お客様のご質問もわかるのですが、電話口ではお答えしにくい質問の一つです。
電話ではお答えできないですが、ラインやメールに写真を添付していただけるとお答えできることもあります。美容室が忙しくない時にゆっくりお答えすることも可能ですし、美容室が暇であればすぐ研ぐことも可能です。事前にラインやメールでお問い合わせいただけると大変助かります。

 

Q2. どれくらい切れ味が持ちますか? 

A2. 包丁の使い方で大きく変わります。また、まな板の種類でも大きく変わります。

皮むき器(ピーラー)や、スライサーをご利用の方もいらっしゃると思います。ピーラーやスライサーの刃は包丁に比べると優れた刃物ではありませんが、意外と長持ちしますよね!?
これは刃をまな板などに打ちつけることがなく触れるのが食材だけだからです。包丁を固いまな板などに、たたきつけると鋭い刃先の包丁はすぐにキレ味が落ちます。トントン音を鳴らしている方は要注意。使い方とまな板で大きく変わる理由です。

毎日仕込みで使用している「とんかつ屋」さんは、2か月に一度研がせていただいております。また、毎日仕込みでお使いの「人気のお好み焼き屋」さんは、3か月に一度研がせていただいております。

一般の方ならば、半年を目処に切れ味が悪いとお感じになったらお声掛けくださればよいのではないでしょうか?
私のスタンダードな研ぎ方として、刃先に少しだけ鈍角に研ぎを入れるようにしております。(糸刃に近いくらいの小刃付けをしています)小刃を付けると切れ味は鈍りますが刃先が丈夫になり少し長持ちします。6000番くらいの超仕上げ砥石で刃先をうっすら小刃を付けています。ご要望により小刃を付けない、小刃を3000番の荒めに!8000番、12000番、天然砥石で仕上げてほしい等対応しています。お申し付けください。

 

Q3. ちゃんと研げるの?

A3. これもお答えしにくい質問です。お答えできるのは、一生懸命研ぎます。という事でしょうか。日本の刃物研ぎは長い伝統の上にあります。日本刀のような刃物、鉋や鑿のような大工道具、工芸に使う細かで繊細なものを作り上げるための道具。革職人が使う革包丁などなど。

美容師を本業にしている私のようなものが、刃物研ぎは一流の腕前です!なんて口が裂けても言えません。しかし、本業でないからこそ採算に合わなさそうな時間をかけてでもじっくり仕上げているつもりです。
一生懸命なんてどうでもよい。切れるか切れないか!という方もおられるかもしれません。少なくとも私は自分がよいと思った状態でお渡ししています。仕上がりに納得いただけないようであれば料金はお返しさせていただきます。

良いか悪いかは、お客様に判断いただくしかありません。

 

また、自分で研いでいるけれど、それより切れるようになるの?という方もおられます。
ご自身で使う包丁をご自身で納得して研いでいる方は多いと思います。使いやすいようにカスタマイズされる方もいらっしゃるでしょう。

私は、包丁の形には意味があると思っているのでスタンダードな研ぎ方をすると思います。使用用途やご要望をお聞きして一生懸命研ぐことしかできません。鶴首や刃線が波を打っていたりすると、いかに削らず形を整えるのか時間をかけることが多いです。肉抜きなどの作業も大きく傷を残したくないので、同じ料金で細かい砥石で研ぐことが多いです。時間はかかりますが、失敗は少なく見た目も悪くないと信じています。

 

Q4.セラミックの包丁は研げる?この包丁は研げる?

A4. セラミックの包丁研げるけれど。。。今のところ私が納得いく仕上がりにならないので、お断りしています。
セラミックの包丁は、金属のように鋭利に研ぐことが難しいと思っております。そこそこ切れるようにはなるのですが、私は納得できていないのが現状です。京セラのセラミック包丁であれば、メーカーが責任を持って研いでくれます。是非そちらをご利用ください。

 

持っている包丁、研いでほしいのだけれども研げる包丁なのかどうか?これも電話ではお答えしにくい質問です。是非メールかラインにて写真を添付してください。それでもお答えできないこともあるかもしれません。ダマスカス風柄、墨流しの包丁も割り込みと全鋼とで仕上がりに違いが出ます。写真ではわからない事もあります。今までもたくさんの包丁を研がせていただきましたが、研ぎだしてから、、、?ん?ってことも何度もありました。機械で量産されている包丁の方が予測はつきやすいのですが、作り手のクセや特徴が顕著に出ている包丁は難儀なものもあります。ナイフに多いのですがたまに包丁でもフォローブレードのものは、私の手に負えない状態の物もあります。状態が良ければフォローブレードでも研げるのですが、、、
また、裏梳きは私の納得のいく仕上げに達していないので本職に頼んでください。

 

いろいろなコンディションの刃物に対応するため、砥石の種類も必要になります。
ビトリファイド、レジノイド、マグネシアなど製法によっても、研磨剤や硬さの違いによっても鋼材との相性があります。

何の問題もない包丁であれば、一般的に言われている「荒砥」「中砥」「仕上げ砥」3種類で良いのかもしれません。一つだけ選ぶとすればどれ?なんて質問も良くあります。

ご自身が納得するためだけであれば、納得する砥石があればよいと思うのですが、人さまの大切な刃物を研ぐには、それなりに準備が必要なのではないかと。。。

何よりも、砥石の数があった方が時間の短縮にはなります。必要な削り方を適切な時に使えば無駄が減りますから。最近ではとても硬度の高い包丁も出ています。何とか対応できるよう頑張っています。


 

まだまだ、質問は沢山あると思いますが。少し参考にしていただけるのではないでしょうか?

何の疑問も、何のご要望もなく「研いでくれればそれで良い」という方の方が多いのですが、大切な包丁やハサミ、人に託すのは不安ですよね。ましてや、以前に一度でも痛い目にあった方は。。。

私が言うのもなんですが刃物研ぎを依頼する先は、慎重に選ばれた方が良いと思います。研ぐということは削りますので必ず小さくなり(大きく削るか少しずつ削るかの違いはあれど)、元には戻りません。

私は、私のできる範囲の事を一生懸命させていただきます。

是非ご検討くださいませ。

2023年06月11日